劇団四季「ノートルダムの鐘」
17.1.15 ノートルダムの鐘
四季劇場「秋」 マチネ
「ノートルダムの鐘」の主人公は出来そこないという意味の名、カジモド。ディズニーヴィランズのひとり、フロローの弟の子。怪物のような容貌であるカジモドは大聖堂の鐘楼に閉じ込められている。いまでは 「ノートルダムの鐘」だが、「ノートルダムのせむし男」のほうが、昔からのファンにはお馴染みかもしれない。
しかし、放送コード等の観点から、「ノートルダムの鐘」となっている。原題はパンフレットにも記載があるが、「The Hunchback of Notre Dame」のまま。日本的に表面だけ差別を隠すことは余計に差別を助長するような気もするが。
今日のカジモドは飯田達郎さん。背中がひどく曲がり、耳があまり聞こえないという設定どおり、話し、歌う。ここではネタバレになるので言えませんが、最後のシーンは泣かずにはいられません。健常者と障害者でなにが違うのか問われます。
原作は19世紀を生きたフランスのヴィクトル・ユゴー。フランス革命以降の今の日本国憲法の精神にもつながる「人権宣言」がなされる時代。まさしく社会保険労務士の原点ともいえる時代を生きたユゴー。「ノートルダムの鐘」の舞台は1482年ですが、そのような時代背景が劇中に反映されています。
|
障害者について、すべての事業主に関わりのある法律として、「障害者雇用促進法」があります。まず法の趣旨を考えるために、「ノートルダムの鐘」の観劇をお勧めします。きっと、観劇前と後とでは導き出される回答が変わっているのではないでしょうか。
すべての事業主は社会連帯の理念に基づき、進んで身体障害者又は知的障害者の雇い入れに努めなければなりません。※別表1のように、雇用義務も決まっていますが、平成25年の厚生労働白書によると民間企業の実雇用率は1.76%と年々上昇し、過去最高の数値でありますが、未達成となっています。
特に社労士が関わる多くの中小企業において、障害者雇用をまったくしていないという実態があるように思います。
※別表1
雇用義務者 | 障害者雇用率 |
一般の民間事業主 | 100分の2.0 |
特殊法人 | 100分の2.3 |
国及び地方公共団体 | 100分の2.3 |
都道府県教育委員会等 | 100分の2.2 |
雇用したくないわけではなく、自社にあった障害者をどのように採用し、働かせて良いのかわからないといった声が事業主から聞こえてきます。特別なことをする必要はありません。当たり前のことを当たり前に行えば良いのです。きっと、「ノートルダムの鐘」を観劇した方なら答えが出ているのではないでしょうか。
なお、趣味ブログも別にあります。主にミュージカル俳優や劇場の音響的な面から観察しているのでよかったらこちらも併せてご覧ください。
社労士のワーケーション的ブログ