第47回(平成27年度)社会保険労務士試験
第47回(平成27年度)社会保険労務士試験
きょう、平成27年8月23日(日)は第47回(平成27年度)社会保険労務士試験でした。受験された方、お疲れ様です。私もお世話になりました、資格の学校TACと資格の大原の社会保険労務士講座より解答速報がでています。
択一式試験ではこの数年で、「組み合わせ問題」→「事例問題」→「個数問題」と新たな出題形式が見られるようになってきました。今年は国民年金で老齢基礎年金の計算式を問う事例問題が出題されたようです。年金アドバイザー3級の勉強をしていた方には楽な事例問題であったと思われます。
個数問題も昨年に引き続き出題されたようですが、しっかり勉強していた方は択一式試験の合格ラインはクリアできたのではないでしょうか。現時点では選択式問題の様子は伝わってきていませんが、平成23年労災「鶏卵大面」、平成25年「最も低い・高い」 等の奇問が出題されず、昨年同様、受験生の努力が報われるものであったことを願います。
これから来年に向けて勉強を始めている受験生もいるかと思います。そこで、所用で神奈川県の会場のひとつであるパシフィコ横浜の近くに行っていたので、試験日当日の写真をアップしておきます。当然試験会場の外の通路部分ですが。
入口にある電光掲示板見ると、ほかにも面白そうなイベントありますね。
パシフィコ横浜は、飲食スペースもあるので、受験生でもないのに通路までは入れます。受験生時代も、恐竜展とかやっていて、こちらのテンションと違くて面白かった記憶があります。
試験中は、シャッターが閉まるので外の声は聞こえないので安心です。
受験生に交じってトイレにも行ってきましたが、途中、トイレに行く人はマンツーマンで見張られるだけでなく、トイレ内にも見張りが常駐しているのですね。自分が受験したときは時間がもったいなくてトイレには行かなかったので。。。
択一式試験は9時30分から13時までの3時間30分のロング試験。 持ち込んだペットボトルの水を飲むのにも許可がいるという、知識だけでなく体力がなければ合格できない。パシフィコ横浜にはコンビニや食事ができるところもありますが、他のイベント等でとても混雑していますので、事前にパン等を購入してから会場へ向かうことをおすすめします。
ちなみに、自分は1回目の受験の時には、大行列でお昼を買えず、昼抜きで午後の試験を受けました→落ちました。
最後に試験お疲れ様でした。1年間の勉強は無駄ではなかったと思います。合格発表までしばらく時間があるので合否は別として、しばらくゆっくりお休みくださいね。勉強したいっていう方には合格発表前に試験がある「年金アドバイザー3級」の受験をおすすめします。合格ラインギリギリにいる、マークミスが気になるという方には気がまぎれますよ。
2回目の受験の時は、TACの回答速報を見て余裕で合格点でした。が、マークミスしたんじゃないかと、合格発表日までやたらドキドキしていました。
ちなみに、合格後もTACで勉強してたりします。社労士試験は法改正対策の試験とも言われますが、それは合格後も一緒。試験対策としての法改正講座は、実務としては1年遅れなんですが、復習にはもってこいです。
追記
選択式試験の解答速報でましたね。問題文を読んでいないので詳しいことは言えませんが、解答見る限り、「労災」「労一」は難問だったのではないでしょうか。特に昨年度に引き続き統計調査シリーズと思われる「労一」パネル。救済が入りづらいといわれる科目でこのような問題を出す必要があるのでしょうか。
社会保険労務士法第1条2では社会保険労務士は、常に品位を保持し~とあります。このような問題を合否に直結する選択式試験で出題するのは品位に欠けるのではないでしょうか。
社会保険労務士法 第1条2
社会保険労務士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。
8/24追記
試験問題が社会保険労務士試験オフィシャルサイトにアップされれました。
今年も「労一」選択式が合否を分けそうです。C・Dで2点を確保した上で、B・Eのどちらかで1点というところでしょうか。この手の問題は勉強していない人でも3点とってしまうことがある問題なので救済は厳しいかもしれません。そこが「運」と言われてしまう所以でしょう。
昨年来、択一式も含め「労一」が難問を通り越して奇問となっています。昨年、択一式「労一・社一」(実態は「労一」)が救済となりましたが、もはや知識はもちろん、文脈でも解けない問題となっています。
と、愚痴を言っても仕方ないので、来年度に向けてスタートしている受験生は、直前期には2~3の「一般常識講座」を勉強して対抗するしかないのかもしれません。
9/7追記
本試験解答解説会TAC動画チャンネルにアップされました。昨年の総評では高橋眞幸先生より選択式試験の解説をする所がないと言うぐらい拍子抜けした感じでしたが、今年は一転重たい感じですね。
解説会の最後、宮島哲浩先生より資格を取って自分の人生を変える、夢を諦めないという話がありました。一発合格であるとか、点数が良かったとかそんなものが目的ではありません。また、試験合格したから社会保険労務士の勉強が終わるわけではありません。合格後も勉強は続きます。私も現在、他の資格試験と同時進行で社労士としての勉強を続けています。ぜひ、皆さんも夢に向かって勉強を続けてくださいね。
合格しない限りタダの人(by 斎藤学院長)
11/6追記 第47回(平成27年度)社会保険労務士試験合格者発表
本日、第47回(平成27年度)社会保険労務士試験合格者発表があり、官報に公告されました。詳しくは社会保険労務士試験オフィシャルサイトへ。
合格率はなんと、昨年の9.3%から2.6%。合格者数は4,156人から1,051人。酷い試験としか言いようがありません。まわりの社労士で合格率が下がり喜んでいる者がいますが、とんでもないことです。そのような品位の無い社労士には仕事を任せるわけにはいきません。社労士が適正に増えていかないということは業界自体の沈下に繋がることを理解できていないのです。
過去、雇用環境が厳しかったとき、民間の会社はもちろん公務員も新規採用を抑えて、職員のリストラを回避しようとしました。結果、企業等には老害のような職員だけが残り、優秀な若い職員を雇用できず破綻していったのです。そして今の非正規労働者の問題に繋がっているのです。
合格率が下がり喜んでいる社労士は人を大切にする、企業を守る技量も知識も無い者なのです。将来の優秀な社労士を生み出せないということは業界の健全な発達に反する、社会保険労務士法にも反する行為そのものです。来年度の試験はパネルのような酷い問題、酷い合格基準であってはなりません。努力した者が報われる試験制度にしなければなりません。
どうしても社労士の人数を減らしたいのであれば連合会の役員をしている65歳以上の社労士を引退させれば良いのです。もう十二分に働いたでしょう。自分は連合会の報酬と公的年金をもらい、若い次の世代は搾取の対象でしかないという考え。まさか、人を大切にするはずの厚生労働省・社会保険労務士連合会がこのような仕打ちをするとは思いませんでした。
この国は若者の将来を切り捨て、老人の既得権益を守るのです。年金制度は「ねずみ講」という考えであればそうなるのかもしれませんが。
受験生の方はしばらく放心状態であると思います。諦めてしまう方も多くなるかもしれません。繰り返しになりますが、諦めたら終わりです。当初の夢を忘れてはなりません。なぜ勉強しようと思ったのか、初心を今こそ思い出すときです。ぜひ、合格して試験制度の改革をしてやるといった気概をみせるときです。