守ってね!最低賃金

令和2年10月1日から多くの地域で地域別最低賃金額が改定されます。この数年、20円以上上昇することが当然のようになっていましたが、今年度はコロナ禍による景気低迷で、東京都をはじめ据え置きの地域も多く、また上昇した地域でも1~3円程度の上昇にとどまりました。

なお、神奈川県の地域別最低賃金額は1,012円と1円の上昇となりました。最も高い地域は東京都で変わらず1,013円。最も低い地域は複数県あり792円となっています。

リンク→必ずチェック最低賃金使用者も労働者も

コロナ禍による雇止めや派遣切りが目立つようになりました。弊所では、今年は最低賃金額を下げてもらいたいという事業主からの心からのうったえを多く聞いていました。しかし、コロナ禍で忘れられていますが、政策としては強い企業を増やすため同一労働同一賃金の実現に向けて各種法令を改正しています。

最低賃金額を少なくても全国加重平均で1,000円以上となるまで上昇させるという強い意志を今回の1~3円の上昇に感じました。

今年の最低賃金の広報キャラクターはのんさん。※チラシは神奈川県のもの


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毎年、そのキャラクターが起用された裏を考えますが、今年もいい線ついてくれました。最近、所属する芸能事務所と揉めるか揉めないかは別として、次々と独立や別事務所に変更するタレントさんが増えています。今年の隠れたメッセージは最低賃金も守れないような会社は辞めちゃうよという感じでしょうか?

レントさんと言えば、元劇団員が所属していた劇団の運営元に未払い残業代などを求めた訴訟で勝訴したことがニュースになっていました。劇団員も働き方によっては労働者性を認められる場合があるのです。これからは、同一労働同一賃金や派遣や請負の規制等を考えると、一つの会社の労働者として働くのが当たり前の時代から、フリーランスや副業を認める会社でフリーランス的に働く時代になりつつあるのでしょう。

20.10.9追記

街を歩いていると飲食店の入り口等に求人を掲示している光景をよく見ると思います。個人店なら法令も追いきれないでしょうから仕方のない面もありますが、チェーン店のファミリーレストランやコンビニエンスストアでも、前年度の最低賃金額ちょうどで求人出しているところが散見されます。

実務では変更していると思われますが、最近の若いバイト希望者はしっかりしているので、こういうところもしっかりしておかないと、企業が求める人材は集まりにくくなると思います。